Senior support

シニア活用支援

シニア社員を取り巻く
外部環境の変化

シニア社員をめぐる外部環境は、近年大きく変化しています。
定年延長や改正高年齢者雇用安定法、年金支給開始年齢の引き上げ、健康寿命の延伸などがその代表例です。
加えて、日本社会は少子高齢化の進行により生産年齢人口が減少しており、
今後は人手不足に直面する業界が一層増加すると見込まれます。

企業内の年齢構成を踏まえると、減少する若手社員を補完する存在として、
健康で経験豊富なシニア人材は、今後ますます重要な戦力となります。

シニア人材活用の現状

改正高年齢者雇用安定法により、2025年以降、企業は本人の希望があれば65歳まで雇用を確保することが義務化されます。これに伴い、企業が選択できる対応策は主に以下の3つです。

  • 定年の廃止
  • 定年延長(65歳、70歳など)
  • 再雇用制度の整備

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によれば、企業は人件費増大への懸念を抱く一方で、技能承継やベテラン社員による現場力の維持・強化への期待も寄せています。こうした相反する要請の中で、人事部門に求められる対応は一層複雑化しています。

現状の課題

現状では、多くの企業が再雇用制度を採用していますが、その際に賃金水準を大幅に引き下げているケースが多数を占めています。再雇用後の賃金は、定年前の50〜70%程度に設定されることが一般的です(名古屋自動車学校事件 令和5年7月20日最高裁判決など)。

シニア人材活用のメリット

シニア人材を活用する主なメリットとして、
以下の2点が挙げられます。

01

採用・育成コストの抑制

既に企業風土や業務、技術に精通しているため、即戦力として経験を活用できます。新規採用や育成にかかる時間やコストを考慮すると、シニア人材の活用は効率的な選択肢です。

02

職場環境への好影響

職場内の人間関係やネットワークを有しており、現場社員にとっては定年後の自身の将来像を具体的にイメージできる点で安心感につながります。また、トラブル時の支援役として機能することも多く、職場の安定や健全化に寄与します。

シニア人材活用に向けた準備

シニア人材を有効に活用するためには、事前に検討すべき重要なポイントがあります。

A

業務内容の明確化

シニア人材に担ってもらう業務内容を明確に定義することが不可欠です。職能資格等級制度を採用している場合、業務内容が曖昧なケースも多く、慎重な整理が求められます。一方、職務等級制度では比較的明確化が容易です。
再雇用後に管理職としてマネジメントを任せるケースは多くありませんが、過去の経験を活かせる専門性の高い業務や、若手・中堅社員の育成、内部監査などの役割は有効な選択肢となります。
加えて、本人の意欲や健康状態への配慮も重要です。一律の制度適用ではなく、個別面談を通じて状況を把握した上で職務を設計することが求められます。

B

柔軟な制度設計とキャリア研修

多くの企業では再雇用時に賃金を引き下げていますが、今後は同一労働同一賃金の考え方から、合理的理由のない大幅な減額は難しくなります。業務の難易度や業績への貢献度などを基準に、職務内容を評価・スコアリングする仕組みを整備する必要があります。
また、フルタイムに限定せず、パートタイムやテレワークなど、多様な働き方を認める制度整備も重要です。
さらに、40代以降を対象としたキャリア研修を計画的に実施し、制度理解やキャリアの棚卸し、ジョブマッチングの機会を提供することが効果的です。定年直前になってから準備を始めるのではなく、早期からの支援が優秀なシニア人材の育成につながります。

C

シニア社員の意識改革

制度だけでなく、本人の意識変革も欠かせません。定年前後で業務内容や役割、職場での影響力が変化することを理解しないままでは、周囲に悪影響を及ぼす恐れがあります。そのため、シニア期の働き方や役割をテーマとした研修の実施も有効です。
特に元上司がシニア人材となる場合、現場社員から指摘しづらいケースも多く見られます。職場環境を健全に保つためにも、人事部門が主体的に関与し、全社員が安心して働ける環境づくりに責任を持って取り組むことが求められます。

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